Paris in 1988 (その2)

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前に「ゲゲゲの女房」の女房以来、ずっと朝ドラを見ていると書きましたが、今回の「わろうてんか」、久しぶりに挫折しました。

何かが悪いというわけではありませんが、どうもいまいちドラマ世界にしっくりとこないうちに少し忙しくなって録画ができずそのうちに見るのが絶えてしました。なんというか主人公の成長がのろすぎて見守ることができなかったという感じですか。

でも最近の放映の内容はようやくその面でかなり盛り上がっているようで、見続ければ良かったか。やはり継続は力なりですかね。

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とはいえ、テレビドラマを何も見ないとそれはそれであまりに無聊。なんとなく正月明けの番組を眺めていたら「越路吹雪物語」という文字が目にとまりました。

越路吹雪、亡くなったのが昭和55年で僕が中二の時ですからもちろん覚えていますが、それは名前だけ。長じてから旧作邦画を見るようになって、森繁の何かの映画で出演した夫人役の妖艶さが印象的でしたし、同時に名前は忘れましたが戦隊モノみたいな映画にも出演してこれはこれでビックリした記憶がありますけど、いずれにせよフォロワーになったことはありませんでした。

でも、そこは昭和の大スター、シャンソンの女王と呼ばれる存在。昭和芸能を愛する人間としては見なきゃ、なんて義務感みたいな気持ちもあって見るることにしたのです。それにテレ朝のwebsiteは無料再放送があるので見逃しても追いかけやすいということもありました。
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主演は青春期を瀧本美織と円熟期が大地真央。今のところ、瀧本美織の時代が放映されていますが、意外といいわ、このドラマ、というか予想外に瀧本美織がいいです。

彼女はそれこそ朝ドラ「てっぱん」の主演で知り、またそれしか知りません。そして「てっぱん」も個人的には悪くなく、サラサラと見ていたのですが巷間ではそれほど評判が良かった作品ではないです。要はこのドラマはサラサラと見ていたと書いたように主人公の個性や脚本のアクの強さといったものとは無縁だったのですが、その引っ掛かりの少ないがゆえ、失敗作ではないにしろ印象に残らない作品になったと思います。その主演女優だったので、正直、華があるわけでなし、なにしろどちらかといえばムチムチした健康美が売り物の女優がそれと対極にあるような宝塚の男役やるというのに違和感を覚えていたのですが、全然杞憂でした。

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まず歌がうまいのにビックリ。僕は越路吹雪ではなくクミコという歌手で岩谷時子訳詞の世界に魅了されたことがあるのですが、歌手が本業のクミコと比しても遜色なし。もう一つ特筆すべきはダンスの上手さ、これは共演している宝塚の男役トップだった(そうです)音月桂には切れ味という面では劣るものの、他の共演している宝塚系俳優には勝るとも劣らないスピード、リズムを感じさせます。

そして役柄そのものの演技も越路吹雪という大スターを引き受けるのではなく、戦中戦後、語り出すと左右どちらにころんでもプロパガンダ臭さが漂ってしまう時代背景、でもそんな時代であってもリルタイムでそこにあったはずの青春の輝きというものが素直に出せている、もちろんそれは脚本と演出の意図でしょうが、それを読み取って表現できるのは彼女の才能であり肉体であったと思います。おそらく本人もそういったことに手応えを感じているのでしょう。回を追うごとに感情表現の豊かさ、硬軟の使い分けが上手になり見ていてとても気持ちのよいシーンが続くのです。

さて、このドラマは通例の民放ドラマどおり3ヶ月で完結とのこと、ということは先週まででちょうど半分が過ぎました。残り半分はいよいよ青春後期から円熟期に入ります。

越路吹雪とその時代を知らないが故に戦中戦後の青春像という演じるのに難しい時代を天真爛漫さで突き抜けた瀧本美織の好演を受けて大地真央がどこまで先達像を描けるか。彼女は世代的に越路吹雪の記憶があるでしょうし何よりも宝塚の先輩たる不滅の大スターを演じる、そのプレッシャーは相当なものだと思います。

果たしてどんな越路吹雪像が現れるのか。続きが楽しみなドラマです。

by michikusajinsei | 2018-02-19 22:28 | フランス | Comments(0)