人気ブログランキング | 話題のタグを見る

昭和62年 東海道線(その3)


昭和62年 東海道線(その3)_a0322896_21454392.jpg















バブル景気は日本政府の公式見解では昭和61(1986)年12月に始まり平成3年2月に終わったことになっている。僕が大学に入ったのが昭和60年の4月で卒業が平成2年の3月だから、ほぼその時代を学生時代で過ごした。今振り返るとあの時代との接点において学生だったのは意外と大事だったのかもしれない。すなわち成人として社会の構成員ではあったが、社会人という身分を獲得しておらず世の移ろいを損得があまりない中で眺めることができたからである。

そんな自分の目に映った当時の世相は一言で言うと「陶酔感」である。

バブル景気の渦中、その前の大型景気だったいざなみ景気を評した「花見酒の経済」という言葉をふたたび取り上げた雑誌記事があった。

落語の「花見酒」。花見客を当て込んで二人で酒樽を運び大儲けを目論んだはいいが、道中「疲れたから、金を払うんで一杯飲んでもいいか」「それじゃ俺も」って二人で飲み出し最初にだしたお金が二人の間を行き来してる間に酒樽が空になったという噺。要は身内で金のやりとりをしているだけで元手が増えないまま資産を蕩尽してしまう経済現象を揶揄したのである。

昭和62年 東海道線(その3)_a0322896_08075098.jpg
















その例えが経済学的に妥当であるかどうかは当時の自分には判らなかったが、秀逸だなと感じたのは経済現象の分析よりも「花見酒」というタイトル、そして主人公が酒に酔って正気を失っていく話であることであった。

とにかく世間全体が浮かれていた。時代の流れに酔っていた。落語の噺ではなく日本全体が花を見ながらその下で酒を飲んで歌い踊っている。そう誰が、何が成長し、その成長の果てになにがあるのだかわからないまま金だけが渦を巻いて費消されていく、そんな感覚である。

by michikusajinsei | 2017-04-16 08:56 | 国鉄 近郊型電車 | Comments(4)

Commented by シグ鉄 at 2017-04-16 21:22
バブル期と言えばシリアナ東京って感じですが、あの頃流行ったのにカフェバーなんてのがありましたね。
シャカタクあたりが流れていて・・・
Commented by michikusajinsei at 2017-04-17 21:52
シグ鉄さま、コメントありがとうございます。

ジュリアナ東京はバブルの象徴ですね。でも雰囲気もお金も敷居が高くて学生時代にそういうところには殆どいったことがありません。パーティー券とか買えば別ですが、だいたい普通の学生には売ってくれませんでした。

シャカタク、フュージョン系の代表格ですね。確かにブライアンイーノやジャコパストリアスなんかと一緒で脱力系カフェバーで流れてましたが僕の印象だと普通のカフェーバーの人気は音楽というより当時隆盛を誇ったミュージックビデオ。これを延々と流してました。ポリスのシンクロニシティーなんか格好良かった....。
Commented at 2017-04-17 23:57
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by michikusajinsei at 2017-04-18 11:58
鍵コメさま、コメントありがとうございます。

花見酒の例え通り、あの時代は昼酒の明るさがあったように思います。そしてまた昼酒でよくある調子に乗ってチャンポン、その結果として強烈な二日酔い。それに苦吟していたのがその後の20年だったのかもしれませんね。

なによりも健康が第一です。お気をつけください。