昭和62年 小淵沢界隈(その3)
「煙の名残を求めて」
これが学生の頃の僕のテーマだった。
僕が鉄道に興味を持ち始めたのが昭和50(1975)年、そう国鉄蒸気機関車の最晩年。はじめて鉄道雑誌を買ったのがその翌年の昭和51(1976)年で奇しくもその号で国鉄蒸機最後の拠点であった室蘭本線の追分機関区が焼失した記事が載っていた号である。
慣れ親しみ一番好きなのはデッキ付きの電気機関車だし、戦前、それもほとんどの国鉄制式蒸機より古い明治大正の頃に製造された車輌すら見ている。またかつては蒸気機関車に牽かれたであろう旧型客車も飽きるほど乗ったが、国鉄蒸気機関車だけは、その時代を共有することが、あとわずかの所で叶わなかった。
無念である。
その意識がその頃の僕の鉄道趣味の底流にあった。
by michikusajinsei | 2017-01-22 11:07 | 小海線 | Comments(0)