昭和61年 京福電鉄

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テキ6。このブログに写真を載せるまでずっとテキではなくデキだと思っていたが、それはともかくこの機関車を見るのが京福電鉄を訪ねた目的だった。

とはいえその頃はそれほど深い関心があったわけではない。変わった機関車がいるんで見てみよう程度の気持ちだったのが正直なところであった。

しかし多少知識がつきまた往時を冷静に振り返れるようになった今の視線でみると自分的には実に貴重な車輌を目にしていたことに気づく。

まず当時は全く意識していなかったが単台車。自分が見た単台車の現役車輌はこれと豊橋鉄道の電動貨車。そして稼働していた姿をみたのはこのテキ6だけである。

そしてこれは、さすがにその当時から意識していたがYゲル。これは見たかった。

思えば日本最後のポールカーが運行していたのは姉妹路線である京福の京都方面。これは残念ながら自分の目で見ることは叶わなかった。

Yゲルはそのポールの香りを僅かななりとも伝える貴重な存在である、そんな思いで訪問したように思う。
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しかし実車をみて、その考え方は浅はかだったのはすぐにわかった。ポールの派生ではなくこのテキ6にはYゲルそのものに美しさが宿っている。

この機関車自体は大正一桁の生まれらしいが、数回前でダルマの姿を紹介した同型のいかにも大正的な曲線に対して、直線で構成され昭和の時代に花開くモダニズムの印象が濃い。その造形にはポールではいささか時代錯誤で似合わないと思うし、逆に今度はその後、世界を席巻する菱形パンタグラフではやや重すぎ、やはりバランスを欠いた外観になったのではないだろうか。

その意味では、Yゲルという選択は外観上では古典的な素朴さを持ちながら軌道から鉄道へと移行する電鉄への時代的要求の流れを具現し、偶然か必然かはともかくとして実に絶妙の構成美をこの機関車に与えた、そんな気がしてならないのである。















by michikusajinsei | 2016-02-21 15:47 | 京福電鉄 | Comments(0)