人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Singapore Lunch Record No.84

Singapore Lunch Record No.84_a0322896_17331965.jpeg
ローミーです。

これシンガポールでは、とてもポピュラーな料理です。チキンライスと同じくらいどこでもあります。ただチキンライスと違ってかなり店によって味に個性がある。これはシンガポールでは珍しい。

このローミー、何と言ってもスープが特徴。いやスープというより餡掛けです。かた焼きそばの餡と同じくらいの固さというかトロミ。風味はベースとなっている海鮮系の出汁に香辛料フレーバー、そしてほんの少し酸っぱさがあります。少し薬臭いってゆう人がたまにいますが、そのちょいと癖があるところがいいんだ。ちなみに見た目から醤油ドバドバと想像されるかもしれませんが、逆で醤油は使っていないんじゃないかと思います。全然、塩気がないですからね。たぶんこの色は黒酢でしょう。

さて、それではこの店のローミーです。ちなみにアヒル肉主体の店だったので具はそれがベースだろうと期待しました。ちなみにチキンライスの店でもアヒルライスを普通は選ぶくらいですし前にも書きましたが日本でも鴨南蛮が好物ですから。

??、これが最初の感想です。場所によってはかき混ぜるのに難儀するくらい固い餡が特徴のローミー、ところがサラサラなんです。餡じゃなくてスープに近いくらい。そして何よりも香辛料の風味が薄い。ちょっと戸惑います。

ところが段々食べていくと、その癖のなさがアヒル肉の味を浮かび上がらせてきます。といってもそれは仄かなものですが物体Xを食べているのではなくてアヒルの味がする。またチリペーストを混ぜていくと香辛料とは違う刺激が舌に残ります「そうだったのか」

多種多様なローミーがあると書きましたが、ローミーにはあまり具材に肉系が使われないと思います。エビや練り物が多いですね。その中でアヒル肉屋でローミーをメニューに加えた店主。恐らく考えたのでしょう、アヒル肉の個性を消さずにローミーをメニューに加えるか。

およそ麺類は、ぶっかけうどんを除けばスープがスターです。スープの味わいで美味い不味いをまず感じていると思います。かといって麺もあれば具材もある。そのハーモーニーが崩れれば不味いと思ってしまう。その自分自身の黄金律を見つけるためにあまたの料理人は苦闘しているのだと思います。

その試行錯誤の中で、この店主はあえてローミーのお約束ともいうべき餡の固さや香辛料の投入量を控えてここにたどりついたのではないか。

美味い不味いは人それぞれですから簡単には言えませんが、想定と違うものを食べさせられると人はなかなか受け付けられません。しかしそんなことは判っていてもこの店主、アヒル肉専門店の矜持からこの餡が最適であると考えたのでしょう。

正直に言って、ローミーにはやはり独特の刺激を求めたくなるので圧巻のうまさとかそんなことは言えませんが、食の個性、多様さを感じる昼ごはんでした。





by michikusajinsei | 2015-12-25 17:32 | シンガポール | Comments(0)