昭和63年 紀州鉄道
半分、時間つぶしのつもりで訪問を考えた紀州の私鉄だが、そうは言っても好みはあった。
今はそうでもないが、当時の私は原型至上主義に凝り固まっていて改造車には全く価値を置いていなかった。
もちろん存在自体が貴重な車両は見に行ったが頭の中では今ひとつ燃え上がらない気分があったのも事実である。だから飯田線の旧省電は写真は撮りに行ったけれどスカ色とプレスドアが気に入らなかったし、阪和線に走っていたEF58やEF15にはシールドビーム2灯改造が受け入れられずとうとう見に行くことはなかった。
そんな志向を持っていたので、先に挙げた和歌山の私鉄群の中で最初に行こうと思ったのは紀州鉄道であった。たぶん譲渡されて少しは改造されていたのだろうけれど見た感じがすっきりとして原型の良さを醸し出していたからである。
ただ元来、不動産会社が自身の信用力補完を企図して買収した鉄道であるから、車輌も荒廃しているんじゃないか、また路線長も3キロ弱だし撮影に適した場所なんて、まあないだろう。駅でさっとキオスク写真でおしまいかな。あとは乗って、帰りは短い距離だからあるくか、時間もあるし。なんて気持ちで訪問したのである。
by michikusajinsei | 2015-12-19 17:25 | 紀州鉄道 | Comments(0)