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昭和63年 豊橋鉄道(その6)

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35年くらい前の模型雑誌「とれいん」で色々な来歴の車輌をご自身で創造された鉄道カラーと更新改造を行った夢の地方私鉄を作り上げて一つの趣味世界を楽しんでいる方の紹介があった。

たしか完全にフリーデザインの車輌はなく、すべて原型となる車輌があるのだがそれを見事に統一化し、模型でしか実現できない素晴らしい個性を表現されていて当時、あまり地方私鉄に興味のなかった少年の自分もいたく感銘をうけたのを覚えている。

そして当時は考えもつかなかったが、この写真を撮影した当時の豊橋鉄道がまさにそうだった。

主に名鉄だと思うが、色々な来歴の車輌が集まりそしてそれらが豊橋鉄道仕様に改造され新たな個性を発揮していた。このような地方私鉄は当時、他に北陸鉄道や京福電鉄などもそうだったが豊橋鉄道のユニークさは黎明期から戦後の新性能型まで世代の幅広さが群を抜いていたことにあると思う。

その流れで今回、戦前の名車、冷房装置を搭載している新性能型と掲載したが本日は黎明期の車輌である。

デワ11

中小の私鉄には、旅客用とは別に車庫構内の入れ替え業務を行う業務用小型車輌がよく存在していて、それが独特の存在感をみせることがままある。ここ豊橋鉄道にもそのような車輌が存在していた。この車輌がそれである。

木造の車体に単台枠の台車、路面電車仕様でありながら普通の鉄道の規格で作られている過渡期の車輌、自分も古典的な車輌はいくつか見ているが、就中、単台枠の下回り、車輪が4つではなく2つしかない特徴を持つ電車の現役姿を見られたのはこの車輌だけだった。

回想してみれば、こんな趣味的には夢のような世界が展開していた豊橋鉄道、しかしその価値にまったく気がつかず、白状すれば撮りつぶしのような気分でたった一回訪問しただけだった。思えば勿体無いことをしたものである。

by michikusajinsei | 2016-11-18 18:04 | 豊橋鉄道 | Comments(2)

Commented by pikorin77jp at 2016-11-18 22:42
電車のデザインがとってもいいですね。駅員さんの姿も頭の中で重なります。
Commented by michikusajinsei at 2016-11-19 11:03
ピコリンさま、コメントありがとうございます。

おっしゃる通りの感想を僕も持ちます。可愛らしい寸法の車体に目玉のようなヘッドライトがアクセントとなって。

ウィキペディアによると大正12年の製造らしいのですが、時代の影響と限界からか今と違ったのどかさを感じるデザインですね。