昭和62年 福井鉄道(その6)

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子供が最初に好きになる汽車電車はやはり地元を走る車輛、それからその当時の花形車輛というのが通り相場。それでも鉄道趣味雑誌などを買いだすようになると、過去の名車や、引退まじかの車輛などが気になってくる。

そこまでは自然でだれしもが通る道、鉄道趣味に求道みたいなものがあるとしたら、そこから先にどのような進歩(?)をたどるか。

まあ、それはそれこそ趣味の問題。外野がどうこういう話ではないが、それでもあまり他人さまが手出しをしない分野に魅力を感じるようになると、自分でも時に「俺は何やってんだ」的な心境になることもある。

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僕も出発点は地元、東海道線の車輛と横浜市電で、次にブルートレインや当時皆がこぞって追いかけたEF58などの花形車輛に熱中したものである、とここまでは普通だが、それらが一段落してくると結構気になったのが線路際であまり動かない車輛。特に普段走る姿を見かけない特殊な貨車などに目が行くようになった。正に病膏肓である。

そして、それらの車輛が多かったのは地方私鉄、それもまた僕が地方私鉄を訪れるようになった理由の一つである。

# by michikusajinsei | 2017-03-24 06:14 | 福井鉄道 | Comments(2)

昭和62年 福井鉄道(その5)

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機械である電車に感情が現れるわけはないのだが、いざ写真を見ていると同じ車輛でもなんとなく表情の違いを感じることがある。

前回の記事で冬の鉄道車輛の持つ精悍さを書いたが、この写真を見ていると残雪が見えるとはいえ、春の日差しに照らされて走る車輛にはその前の季節に感じた厳しさは薄れなんとなく伸び伸びとした感じを受けるような気がする。

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まあ、身も蓋もないことをいってしまえば、それは太陽光線の角度や強さの違いであるけれど、そうは言っても柔らかい日差しに包まれた車輛を見ていると季節の変わり目というものを実感する。

# by michikusajinsei | 2017-03-20 07:37 | 福井鉄道 | Comments(0)

昭和62年 福井鉄道(その4)

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関東南部の神奈川育ちにとって、雪景色の中を走る鉄道はとても心躍るものがある。それは景色それ自体も魅力的だが、雪と闘う車輌には独特の精悍さというものが感じられて、普段はおとなしい外観をしていても、雪景色の中に置かれると隠れていたその車輌の機能美が浮かび上がる、そんな印象をよくもったものである。

そしてその中でも、特に輝きを増していたのがこの福井鉄道200系。

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この鉄路の千両役者はどの季節においても存在感を際立たせているが、この雪景色の中ではそれ以外の季節に感じる端正さは後退し、益荒男振りとでも形容すべき豪快さを感じたものだった。

# by michikusajinsei | 2017-03-16 23:42 | 福井鉄道 | Comments(0)

昭和62年 富山地方鉄道(その4)

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しかしこの塗装が真に映えていたのは、やはりこの車輌、14760系。

資本力がある大手私鉄ならいざ知らず、地方私鉄はなかなか独自車輌というものを増備しにくい。今も昔も払い下げ車輌が活躍するのが彼らの日常風景。そんな中で、特異児というか快男児というか突然、目の覚めるような名車が出現することがある。

福井鉄道200系、北陸鉄道しらさぎ、長野電鉄OS、新OS。なぜか北信越の私鉄にそれが多い。そしてその系譜のある意味頂点に立つのがこの富山地鉄の14670系ではなかろうか。

いささか熱の入った紹介になったが、この車輌が登場は昭和54(1979)年、僕が中学に入学した年である。その瞬間は青春時代とは言えないにしろ、少年から青年に切り替わる10年間の最初の年にデビューしたという同世代感覚もあり個人的にはとても愛着がある車輌の一つである。

# by michikusajinsei | 2017-03-12 11:02 | 富山地方鉄道 | Comments(6)

昭和62年 富山地方鉄道(その3)

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鉄道会社に限らずどの会社も生き残るために如何に自分の会社の独自性をアピールするかに知恵を絞っている。というよりそれが会社を動かす原動力である。

これは会社に限らず人の営みということはつまるところ他と比べて如何に自分が魅力的かを誰かに伝えることであるし、その活動の裏表が僕たちの生活や性格を規定している。外面内面、着飾るのもそうでないのも、無意識のうちに自らの個性をそうやって発信している。

さて、そういった人の営みはともかく、会社経営という視点であれば、それが値段だったり便利さだったり、格好よさであったりと、その訴える手段がその会社の特徴を端的に表しているのだが、さて、鉄道会社の場合はそれはどうであろうか、というと異論はあるとは思うが僕は塗装、この一点に尽きると思う。

例えば全国組織で誰もが知っているが故にそういう自らの独自性を訴えることが希薄だった国鉄は、時期や一部の地方で例外はあるけれど電車の塗装はほぼ3つ。湘南色、スカ色、そしてピンクにクリームの交流色に集約されていたし、逆にそういう会社の色を大事にしていた私鉄各社は京急の赤、阪急のマルーンのようにその塗装それ自身をブランド化することまで行っている。

そうなるとしめたもので、多少カタチが不細工であったり、古くなって陳腐化してもそうは見させない魔力を発揮してしまうのだから電車のカラーというものは鉄道会社にとってはものすごく大事な資産であると個人的には思っている。

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そして富山地鉄。そうはいっても地方私鉄は鉄道を維持するのが精一杯なところが多く、わかっていてもなかなかそこまでできないのかもしれない中で、この鉄道の塗装は別格。

この2枚の写真、上の写真の車両が昭和30年製、下が昭和37年製と昭和62年当時としても、そろそろベテランの域にはいって更新を受けてこの塗装になっているのだろうが、そうなる時によくある厚化粧感を受けなかった。

何と言ってもこの配色デザインそのものがまずすっきりとしていてこざっぱりとした清潔感がある。またそれが故か、車齢が進んだ車両であっても不思議と古臭さを感じさせない軽快感、清冽さを抱かせる。特に文字通り出色といえるのはグレーの配色。これが地味であるがホワイトとレッドのの2色をまるで隠し味のようにうまく浮き立たせているのではないか、そんな印象を持っていた。




# by michikusajinsei | 2017-03-08 06:54 | Comments(2)